テーマ100 「管理職者の強い意志、想い、熱意」が部下を成長させる
■部下を評価するとは、
自分が行った部下育成の的確さを評価すること
ハーバード・ビジネス・レビュー2018年7月の論文に
「アジャイル化する人事」
(ペンシルバニア大学 ウォートンスクール 教授ピーター・カッペリ氏、
ニューヨーク大学 准教授アナ・テイビス氏共著)
というのがあります。
この論文の中で、
「上司が部下を評価する場合、評価者によってバラツキが大きいが、
評価者自身の感情や意志に基づく評点は首尾一貫している」
と言っています。
実際の調査研究結果から下記のような視点で評価した場合は、
的確な評価ができたとのことです。
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1.私が知る範囲でこの人物の業績から判断すると、
もし私が決定権者であれば、報酬は増やせる限り最大限増やし、
ボーナスも最大限与えるでしょう。
(業績全般と組織に対する独自の価値提供を測る。
「強くそう思う」から「まったくそう思わない」まで5段階で採点)
2.私が知る範囲でこの人物の業績から判断すると、
常に自分のチームにいてほしいと思います。
(他者とうまく一緒に働ける能力を測る。
「強くそう思う」から「まったくそう思わない」まで5段階で採点)
3.この人物は悲惨な業績となるおそれがある。
(「はい」か「いいえ」の回答形式により、
顧客やチームに対して害となりかねない問題を見つけ出す)
4.この人物は今日昇進してもおかしくない。
(「はい」か「いいえ」の回答形式により、潜在能力を測る)
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これは評価という視点で見ていますが、
部下の方の育成という視点で見た場合、
上司として自分は、どう育成したいのかという
意思を常に持つことが必要といえます。
やはり、自分の部下には、最高の給与を上げたい、
昇進させて上げたいそういう気持ちがあれば、
そのためには、
部下に何を身につけさせなければならないのか、
日々どう育成しなければならないのかなど、
見えてくるものがたくさんあります。
そして、上司のそういう気持ちも部下の方に伝わります。
部下の方の評価は、上司の育成の結果でもあり、
上司の育成が的確かどうかという視点もあります。
■管理職者として自分の考え・自分の言葉で話す
ことが話の内容に生命力を宿す
脳科学者の茂木健一郎氏の著書「脳を活かす仕事術」の中に
「脳の引き込み現象」という記述があります。
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脳は予測できる部分とできない部分のバランスが整った
偶有性(偶然に備えていること)に満ちたものや
相手が本気で言っていることなどには、興味や関心、注意を向ける
相手の注意を喚起するには話の内容以上に
「どのくらい本気か」「どれだけ言葉に生命力を込めているか」
に依存するところが大きい。
感情や強い思い込みが込められていればいるほど、
受け手はそのシグナルを真剣に、集中した状態でキャッチする
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お客様や上司、部下の方と話すときは、
本気で話すことが重要であることが分かります。
相手に本気さを伝えるためには、
自分の言葉で話すことを心掛けることが必要です。
例えば、会社から指示された仕事を会社からの指示内容で
そのまま部下に伝える管理職者と自分の仕事とし、
仕事に付加価値を付けるにはどうしたらよいか、
全て自分の責任として考え、
自分の言葉で部下に話す管理職者とを比べた場合、
後者の自分の考え、自分の言葉で話す管理職者の方が、
部下からの信頼度が高いのはいうまでもありません。
自分の考え・言葉で話すようにすると、
お客様や仕事に関する知識や経験を踏まえた考えの深さ、
上司、同僚、部下に対する気遣いや配慮、
仕事に対する責任感や熱意、
このようなことが、自然に言葉の中に現れ、相手に本気さが伝わります。
本気さは、言葉に生命力を宿します。
管理職者の方が、部下の方と話をするときは、
部下の方に応じて、その部下の方が理解できるように配慮し、
管理職者として自分の言葉で、本気で話すことが必要です。
■「管理職者の強い意志、想い、熱意」が部下を成長させる
パナソニックの創業者松下幸之助氏の著書
「物の見方 考え方」に次のような記述があります。
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昔の言葉にも、人を使うものは苦を使う、といっているように、
人を使うことが一番むつかしい。
苦労して人を使って、はじめて人が動いてくれる。
苦労なくして人を使おうというようなことは、
上に立てない証拠だ、私はそう思う。
私は今までいろいろな人を見てきたが、
本当に役に立つ人というのは仕事に熱心だ。
人間の才能や知識も、熱意があって初めて生きてくる。
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部下の育成というのは、難しいことでありますが、
今回のように評価に関する論文や脳科学、松下幸之助氏の言葉など、
どのような視点からみてもやはり
「部下をなんとしても成長させてやりたい」という
「管理職者の強い意志、想い、熱意」が
部下の方を成長させるということが分かります。
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